何を比較したのか
レビューは GPT-5.6 のワークとクロード・フェイブル5 のコワークに同じ課題を投げた。YouTube チャンネルのデータをリアルタイムで取り込み、更新のたびに反映されるダッシュボードを作れというものだ。両ツールとも最近、業務用の協業スペースを開き(クロードはデスクトップのコワークをウェブへ、GPT はコデックスをアプリに統合)、同条件で完成度とトークン消費を比較した。
トークン消費は近かった(クロード約5%、GPT約8%)。だから勝負は消費量ではなく、アプローチと結果の性格で分かれた。
二つのツールの性格はどう分かれたか
クロードは手段を選ばず、望むものを素早く持ってきた。YouTube にアクセスするため API キーをチャットにそのまま入れさせ(セキュリティ上のリスクを負って)、HTML ライブアーティファクトで即座にダッシュボードを完成させた。急ぎの報告書や会議資料のように、結果を早く受け取りたい場面に向くという評価だ。
GPT は長く考え、安全に進んだ。OAuth で認証し、開始前にデザイン案を三つサブエージェントで先に出し、API キーを危険な値と認識して秘密値として扱った。さらに新しい『サイト』機能でフロントエンドにとどまらず、実際に配備できるサービス(ドメイン接続・環境変数を含む)まで作った。Lovable のような配備ツールがチャットボットの中に入ってきた形だ。
本当の変化——ハーネスの吸収
最も注目すべきは成果物ではなく構造の変化だ。GPT のワークにはサブエージェントが中に入っており、ユーザーはサブエージェントという概念を知る必要すらない。開始直後にデザイン案を並列で出す場面がその一例だ。
これまで私たちはスキルとサブエージェントを手で組んでハーネスを作らねばならなかった。その部分がツールの中に溶け込んだのだ。『ハーネスは不要になる、LLM がハーネスまで吸収する』という観測が、実際の製品で現れ始めた場面だと言える。
AX の観点でなぜ重要か
企業 AX 研修の最大の壁は、ワークフロー設計ではなく『ツールを使いこなせるか』だ。いくらワークフローを変えるべきだと言っても、ツールを扱えなければ変化は起きない。そしてクロードコードやコデックスのような CLI は現場に負担が大きい。サブエージェントやスキルも併せて教えねばならないからだ。
一方、ハーネスを内部に吸収したワーク型の形は、現場にすぐ勧め、教えられる。レビュアーが教えやすさを理由に GPT にわずかに軍配を上げたのも、この文脈だ。結論は勝敗ではなく役割分担だ。急ぎの報告書は速いクロード、慎重な大型プロジェクトは安全な GPT というように、各ツールの性格に合わせて使い分ける段階へ移っている。