Insights·2026-07-16

K Public Data MCP の病院詳細照会は何を追加したのか

K Public Data MCP は、韓国の公共データを AI がそのまま使えるようにまとめたオープンソースの MCP サーバーだ。今回、健康保険審査評価院(審評院)の「医療機関別詳細情報サービス」を接続し、病院を名称・地域・区分で検索したうえで、その病院の施設・病床、診療科目別の専門医数、保有する医療機器(PET・CT など)、交通情報までを一度に照会できるよう拡張した。検索で止まっていたデータが、病院の「中」まで届く。

MCP とは何か、なぜ公共データに接続するのか

MCP(Model Context Protocol)は、AI モデルが外部データやツールに接続するための標準的な通り道だ。Claude のような AI が、ウェブを漁らずに定められたデータソースを直接呼び出して答えられるようにする。

韓国の公共データは data.go.kr に膨大に公開されているが、認証キーの発給・パラメータ仕様・XML パースといった壁があり、AI がそのまま使うのは難しい。K Public Data MCP は、法制処・DART・審評院などの公共 API を、AI が意図単位で呼べるツールとしてまとめ、この壁を取り除く。

データが公開されていても AI が読めなければ、閉じているのと同じだ。開くことの本質は公開ではなく接続にある。

検索から詳細へどうつながるか

従来は病院を名称・地域・区分(上級総合・療養病院など)で検索するところまでだった。その病院がどんな機器を備え、科ごとに専門医が何人いるかは、再び審評院のサイトを漁る必要があった。

今回の拡張は、検索結果に付いてくる「暗号化療養記号(ykiho)」を詳細照会の鍵として使う。病院を見つけると固有キーが一緒に返り、そのキーで詳細サービスを呼べば、施設・詳細・診療科目・医療機器・交通の五つを一度に受け取れる。

照会フロー
1) 検索: search_hospital(yadmNm="サムスンソウル病院")
     -> 結果に ykiho(暗号化療養記号)を含む
2) 詳細: get_hospital_detail(ykiho)
     -> 施設 / 科目別専門医 / 医療機器 / 交通 を一度に返す

実際に何が返るか — サムスンソウル病院の例

実データで検証した結果だ。病院を一つ指すと、その内部の規模が数字で現れる。

診療科目別の専門医数は科レベルの人員をそのまま示し、医療機器は PET・CT・保育器などの高額機器の保有台数を返す。施設情報には病床構成が含まれる。

セクション結果
施設情報病床・施設構成 1件
診療科目情報29科(内科専門医 213名)
医療機器情報16種(PET 4台など)
交通情報機関別の登録分

誰が使うのか

商圏分析では、特定地域の病院の規模・診療科構成が医療需要を読む材料になる。医療リサーチや機関比較では、人がサイトを一つずつ漁っていた作業を AI が肩代わりする。

すべてオープンソースだ。審評院の公共データ開発者アカウントを申請すれば(費用なし)、誰でも自分の AI に組み込める。元のリポジトリは下のリンクにある。