PillCheck コミュニティは何をする機能か

前回のタイムラインが自分の服薬記録をまとめて見る場所だとすれば、コミュニティは同じ疾患の服薬記録を持つ人どうしが出会う場所です。PillCheck アプリの画面下にある5つのタブのうち、いちばん右が「コミュニティ」です。アプリは www.pillcheck.co.kr と同じ画面を表示するので、スマートフォンのブラウザでも同じように使えます。
ルームは疾患ごとに分かれています。高血圧・糖尿病・脂質異常症・アレルギー性鼻炎・胃炎・逆流性食道炎・ぜんそく・膝関節・骨粗しょう症・前立腺・腰痛の11ルームに加え、患者数の少ない疾患をまとめた希少疾患ルームとがん闘病ルームがあります。一覧の上の検索欄に「高血圧」と入れても、薬袋に書かれた「本態性高血圧」と入れても、同じルームが出てきます。
どのルームにも疾患情報があり、会話が開いているルームには投稿一覧も加わります。疾患情報は誰でも見られ、投稿一覧はその疾患で処方を受けた会員だけが読み書きできます。投稿は「質問」と「体験シェア」の2種類です。
アプリでの使い方
1つ目、画面下タブの「コミュニティ」を押してログインします。Kakao・Google・Apple のアカウントで始められます。ログインしないとルーム一覧と疾患情報までしか見えません。
2つ目、自分の処方記録で参加資格をつくります。資格とは、どのルームの投稿を読み書きできるかを決める印です。「スキャン」タブで薬袋や処方箋のQRコードにカメラを向けるか、健康保険審査評価院の投薬履歴を取り込むと資格が確認されます。スキャン後、会話が開いているルームの資格ができると「高血圧ルームに入れます」のような案内と「すぐ行く」ボタンが出ます。
3つ目、ルームに入って右下の「質問・投稿」を押します。初めてなら、このルームで使う名前(ニックネーム)を先に決め、センシティブ情報の収集・利用への同意を別途受けます。ニックネームはルームごとに一度決めれば、投稿のたびに聞かれることはありません。次に「質問」か「体験シェア」を選び、タイトルと本文を書いて「投稿する」を押します。
4つ目、ほかの人の投稿に応えます。質問の投稿には「回答する」、体験シェアの投稿には「返信する」があり、ハート形の「共感」ボタンで気持ちを示せます。フィード(投稿が積み重なって見える一覧)の上の「すべて・質問・体験シェア」タブで種類を選んで見られます。
ルームに入る資格は処方記録が決める
PillCheck は「私は高血圧です」をユーザーに自分で選ばせませんでした。資格はサーバーが決めます。サーバーとは、PillCheck の側でデータを保管し判定するコンピューターです。QRコードをスキャンすると、サーバーがその処方の原本を自分で読み直して判定し、スマートフォンから送られた主張は根拠にしません。
判定の根拠は2つです。処方に疾病分類コードがあれば、そのコードでルームを決めます。疾病分類コードは診療記録につく病気の番号で、「I10」が本態性高血圧です。コードのない処方も多いため、処方された薬の成分が1つの疾患をはっきり指していれば、薬で代わりに判定します。ロサルタンのような降圧薬の成分がその例です。いくつもの疾患に広く使う成分は判定に使いません。間違ったルームに入るほうが、ルームに入れないことより危険だと判断したからです。1つの処方から複数の疾患が出れば、該当するすべてのルームに資格ができます。
資格には期限があります。処方の基準日から12か月で、終わる30日前から画面が前もって知らせます。次の処方を受けてもう一度スキャンする時間をつくるためです。子どもの記録をスキャンした場合は、保護者の資格の根拠にしません。子どもの処方は保護者の疾患を示さないからです。
ルームが開く条件もあります。同じ疾患の資格者が10人集まると、そのルームの会話が開きます。それまでは、ルーム一覧のカードに「N/10人」と10マスのバーが表示され、ルーム画面では自分の席が濃い枠のマスで示されます。1〜2人しか使わない空きルームをいくつも開くより、集まった人数をありのまま見せて待つほうがよいと判断しました。
投稿の前に起きること
コミュニティの投稿には健康の話が入ります。そのため、投稿の前に3重の仕組みを置きました。
1つ目、センシティブ情報の同意を別に受けます。センシティブ情報とは、健康情報のように法律がより厳しく扱うよう定めた個人情報です。ルームに投稿・返信・共感を残すと、自分がこの疾患のルームにいることがほかの会員に見えるため、ほかの規約とまとめずに、書く場面でもう一度たずねます。同意しなくても、アプリのほかの機能はそのまま使えます。
2つ目、保存をブロックするルールがあります。電話番号やメールアドレスなどの連絡先、「江南内科」のように続けて書いた病院・薬局名、名前のあとに「先生」「薬剤師さん」がつく医療者の呼び方は、文中のどこにあってもブロックします。自分の服薬記録にある薬の名前と同じ文に「よく効く」のような効能の断定、「飲んでみてください」のような勧め、「安く売っている所」のような購入の誘いが一緒にあってもブロックします。ブロックされると「この内容は投稿できません」とともにどのルールに当たったかを示し、書いた人が自分で直せるようにします。
3つ目、ブロックせずにたずねるルールがあります。「中断」「やめた」「半分に」「用量」「民間療法」のような言葉が入っていると、投稿の直前にこうたずねます。「処方の変更や服薬の中止を勧める内容ですか?このコミュニティは体験を分かち合う場所で、処方を変える場所ではありません。」「もう一度見ます」を押すと直しに戻り、「体験を分かち合う投稿です」か「気になることを聞く投稿です」を押すとそのまま投稿されます。投稿された文には「処方は自分で変えないでください」という相談案内が本文の上と最初の返信の位置につきます。
画面の下には「医学的な助言ではありません・医師・薬剤師に相談」の行が常についています。投稿がなくても、ログインしていなくても、この行は消えません。画面での確認とは別に、サーバー側のルールが資格と同意をもう一度確かめます。画面の確認だけでは、アプリを通らずに入ってくるリクエストを防げないからです。
疾患情報は資格なしで開く

ルームに入ると、投稿より先に「調べられること」6項目が見えます。一緒に飲んではいけない薬、私の薬はどう効くのか、気をつけたい食べ物、こんな症状があるとき、この病気について、臨床試験では。根拠は韓国食品医薬品安全処の併用禁忌情報、米国食品医薬品局(FDA)の医薬品ラベル、米国国立医学図書館、臨床試験登録サイト ClinicalTrials.gov です。併用禁忌とは、一緒に使ってはいけないと定められた薬の組み合わせのことです。
この情報はログインも資格もなしで開きます。隠すのは会員の投稿だけです。まだ資格のない人にルームがまるごと空の画面に見えると、その疾患について調べる道までふさがってしまうからです。
情報画面は原文を一緒に置きます。「この病気について」画面では、項目ごとにやさしい言葉で書いた「AI要約」の下に「原文」と出典・確認日がついています。米国の資料には「国内の診療ガイドラインと異なる場合があります」という案内がつきます。AIが書いた文と公式文書の文を混ぜずに、並べて見せるやり方です。
空のルームに最初の投稿を置く方法
新しいコミュニティのいちばんの問題は最初の投稿です。誰も書いていないフィードを前に何を書けばいいか分からないと、人はそのまま出ていきます。
そこで高血圧・糖尿病・脂質異常症の3ルームに1行の紹介をつけました。高血圧ルームは「血圧を管理しながら過ごす日常、血圧を測る習慣や暮らしの話を分かち合うルームです。」です。この3ルームでは、会員の投稿がないときフィードの場所に「こんな話をしましょう」と質問例3つが見えます。「朝の血圧はいつ、どうやって測っていますか?」「薄味にするために食事で変えたことはありますか?」のようなものです。質問例は薬の名前や効能には触れず、体験と暮らしだけをたずねます。画面が先に医学情報を語ると、ルームが情報をくれる場所として読まれるからです。これらの例文も、会員の投稿と同じ保存ブロック・危険表現の確認を通るよう自動テストで縛りました。自動テストとは、コードが変わるたびにひとりでに走る確認のことです。
公式運営アカウント「필첵 운영팀」(PillCheck 運営チーム)も置きました。高血圧・糖尿病・脂質異常症ルームのいちばん上には、このアカウントが書いた歓迎の投稿が「固定」表示とともにあり、投稿者の横に「公式」バッジがつきます。歓迎の投稿には「実名、連絡先、通っている病院・薬局の名前は書かないでください。」のような利用ルールが入っています。公式バッジはサーバーが管理する名簿にあるアカウントにだけつき、ニックネームでは判断しません。誰でも「PillCheck 運営チーム」というニックネームをつけられたら、バッジの意味がなくなるからです。同じ理由で、「운영」(運営)や「관리자」(管理者)で始まるニックネームは受け付けません。
フィードは固定投稿、答えのない質問、残りの新しい投稿の順に並びます。答えを待つ質問が新しい投稿に押されて埋もれないようにするための順番です。
コミュニティのルールをつくるときに持ち帰ること
PillCheck コミュニティからほかの仕事にも移せることは1つです。ブロックするルールとたずねるルールを分けることです。
ブロックするルールは狭く書きます。最初に設計した病院名のルールは「今日、病院に行ってきました」までブロックしていました。韓国語では「今日」のあとに「病院」が来て、病院名のように読めたからです。実際の病院名は「聖母病院」のように続けて書くことを確かめ、続けて書いたものだけをブロックするよう直すと、本物の病院名はそのまま引っかかり、日常の文だけが通るようになりました。普通の投稿がたびたびブロックされると、人はまずルールをすり抜ける方法を覚えます。
たずねるルールは広く書きます。間違って引っかかっても、1回押せば終わるからです。「やめた」は薬の名前がなくても、文のどこにあってもたずねます。
グループチャットのお知らせでも、AIに渡すチェック指示でも、ルールを書くときはこの2つを分けて書いてみてください。「必ずブロックするもの」には確かなものだけ、「一度確認するもの」には広めに。そうすれば守るべきものは守りつつ、会話の途切れが減ります。
「PillCheck アプリ」の連載はこの回で終わります。スキャンから始まり、薬の検索、服薬リマインダー、相互作用、タイムラインを経てコミュニティまで、PillCheck アプリの機能を1つずつ見てきました。App Store と Google Play で「필첵」(PillCheck)と検索すればインストールできます。
