Insights·2026-08-06

PillDoc 薬局立地 — ソウルの医院・薬局の場所を地図で読む方法

薬局立地は PillDoc が公開した閲覧専用の地図画面です。ソウルで医院が新たに開業しうる場所と、薬局が新たに開局しうる場所を100点満点で採点し、地図上に示します。https://www.pilldoc.co.kr/PharmSite でログインなしに開き、場所をひとつ選ぶと想定処方流入・月間調剤売上・周辺の競合薬局まで表示されます。ただし画面上のすべての金額と件数は実績ではなくモデルによる推定値です。

前の記事の続きAXにおいて、人とAIの役割はどう分かれるのか
필독 약국입지 화면 — 왼쪽에 점수순 병원 개원 후보 목록, 가운데 지도 위에 뜬 후보 상세 창, 오른쪽에 화면 안 기존 시설 종별 범례
약국입지 지도 화면. 왼쪽 점수순 후보 목록 · 가운데 상세 창 · 오른쪽 기존 시설 범례.

この画面は何を見せるのか

薬局立地は同じ地図を二つの視点で見ます。「医院立地」タブは医院が新たに入りうる場所を、「薬局立地」タブは薬局が新たに開きうる場所を示します。二つは独立ではなく順序があります。この画面の論理は医院が先で薬局が後から続くというもので、薬局候補のなかにはまだ存在しない医院の開業を前提に成り立つ場所も混じっています。

そのため医院候補を選ぶと、その下に「派生薬局候補」が併せて出ます。その医院が実際に入れば同じ建物に薬局の先取り枠が生まれるという意味です。画面ではこうした条件付きの場所を点線の標識で区別します。

計算に使われた資料は健康保険審査評価院ベースの開設機関一覧です。2026年8月4日の計算分では病院・医院 19,923 か所と薬局 5,915 か所が入っています。対象はソウル25自治区で、区の下の行政洞まで絞り込めます。

重要な性質がひとつあります。この点数は押した瞬間に作られる値ではなく、あらかじめ計算して保存された値で、審評院の資料が更新されると再計算されます。昨日開業した医院が画面にない理由はここにあり、左下の「計算時刻」「計算に使った資料」を押せば、いま見ている数字がいつのものか分かります。

どう開き、どこから押すか

アドレスは https://www.pilldoc.co.kr/PharmSite です。PillDoc サイト上部メニューの「薬局立地」からも同じ場所に行けます。ログインや会員登録なしに開きます。タイトル横に「地図」と「利用案内」の二つのタブがあり、初めてなら利用案内を先に開いてもよいでしょう。点滅する点を押すとその場所の説明が開く方式なので、画面と説明を並べて見られます。

地図画面はこの順で使えば十分です。第一に、上部の「医院立地」「薬局立地」から視点を選びます。第二に、右上の「地域」ボタンで自治区と行政洞を絞ります。地図上で境界の内側を直接押しても同じです。ソウル全体で押すとその自治区へ、自治区で同じ区を押すとその行政洞へ入ります。

第三に、左の一覧から候補を選びます。一覧はいま見ている範囲で点数の高い順に40か所です。40は画面に収まる数にすぎず、一覧にない場所も地図から直接押せます。薬局タブでは場所の性格でもう一段絞れます。すでに開設された医院の処方を受ける「既存商圏」と、医院が新たに開業してこそ成り立つ「医院候補派生」です。

第四に、候補を押すと地図の上に詳細ウィンドウが浮きます。地図は背景にそのまま残ります。閉じ方は三つ、右上の ×、Esc キー、地図の空白部分を押すことです。

点数は何でできているか

点数は100点満点ですが、絶対的な良し悪しではありません。ソウルの他の場所と比べた順位です。各要素をソウルで何位くらいかに置き換えてから合算するので、94点は上位6パーセント水準と読めばよいことになります。

薬局立地点数は四つの要素の加重和です。

要素比重何を測るか
処方需要55%この場所に流れ込む処方量
医院前立地とアクセス20%処方を最も多く出す医院までの距離
競合15%その処方を分け合う他の薬局
背後商圏10%周辺人口

なぜ処方需要が半分を超えるのか

薬局の収益は処方流入が支配するからです。この比重は恣意的に決めた値ではなく、先行する検証から出た結論です。

モデルを作るときはありふれた仮説から出発しました。薬局が集まる場所は過密だから危険という飽和の論理です。処方データと廃業履歴、人口統計で検証したところ、密度は薬局の売上も廃業も説明しませんでした。市郡区・行政洞・半径の三つの解像度で同じ結果になり、説明力は事実上ゼロでした。

方向を変えたのは現場を知る人の一言でした。薬局の売上は結局のところ隣の医院の処方から来ており、処方量は診療科ごとに違うという洞察です。密度の代わりに、近隣医院の処方強度を競合薬局数で割った処方需要指数で回し直すと、売上がきれいに分かれました。下位区間と上位区間のあいだで二倍の差です。いま画面にある55パーセントは、その結果が重みとして固まったものです。

処方の配分の仕方も同じ理由で決まりました。ある医院の処方を周辺薬局の数で均等に割るのではなく、距離で割ります。近い薬局がより多く取る方式です。

詳細ウィンドウの三つのタブは何を語るか

詳細ウィンドウは三つのタブに分かれています。どの場所かを示す最上段、すなわち順位・洞名・住所はタブを移しても残り、その下だけが変わります。

医院開業候補は「推薦」「位置」「点数」です。推薦タブはどの診療科が入るべきかを順位で見せます。たとえば面木本洞の候補では耳鼻咽喉科、小児青少年科、家庭医学科の順に出て、各科の医院あたり一日処方件数と、その地域に残る枠が上位何パーセントかが併記されます。順序は残る枠に処方価値を掛けた値で、薬局が追随できる診療科を前に置きます。

薬局開局候補は「処方」「位置」「点数」です。処方タブにはこの場所へ処方を送る医院が距離・一日処方数・その医院の処方に占めるこの場所の取り分とともに並び、その下に収益推定が付きます。月間調剤売上は処方一枚あたりの調剤料に処方数と営業日を掛けた値、月間 OTC 純利益は調剤患者一人あたりの経験則で置きます。権利金の参考帯は調剤売上の13倍から17倍、適正月額賃料は調剤売上の20から25パーセントと見ます。処方元の集中度は1に近いほど一つの医院に頼った場所という意味です。

位置タブは建物を見ます。建築物台帳を照会して建物名・主用途・階数・延床面積・使用承認日と、一階が近隣生活施設かどうかを示し、同じ建物にすでに入居している医療施設と薬局を並べます。この場所を選ぶかどうかは事実上ここで決まります。薬局がすでにあれば、その建物の処方は大半がその薬局へ行きます。

点数タブは総点とその根拠です。四つの要素がそれぞれ何点だったかをレーダーチャートで見せ、300メートル以内の薬局数・最も近い薬局までの距離・周辺人口を併記します。同じ総点でも、処方需要が高くて得た点数と競合がなくて得た点数では性格が違います。

一覧にない場所を見たいとき

すでに目をつけた店舗や物件があるなら、その座標を直接打てます。右上の「地点分析」ボタンをオンにして地図を押すか、ボタンなしで地図を右クリックします。タッチ画面には右クリックがないのでボタンを併置しています。

このとき出る値はあらかじめ計算されたものではなく、押したその座標でいま計算した値です。候補一覧と同じ式なので並べて比べられ、薬局の視点と医院の視点を同時に返します。保存値と即時計算値の差は実測で候補6か所において最大0.2点でした。

地点レポートには Kakao マップ・ロードビュー・Naver 地図へのリンクも付きます。建物の形や実際の街並みはそちらで確認するほうが正確です。

地図からさらに読み取れること

地図右上の凡例で既存施設を種別ごとに切り替えます。上級総合・総合病院・病院と療養および精神・医院・歯科・韓方・保健その他、そして薬局です。最初は上級総合だけがオンになっています。医院が全体の大半を占めるため、すべてオンにすると候補ピンが標識に覆われるからです。ソウルの上級総合は十四か所しかなく、多くの画面では標識がひとつも出ませんが、凡例の下の「すべての種別を表示」を一度押すと全部つき、もう一度押すと全部消えます。

行政洞を塗るグレーの濃淡は機会度です。暗いほど候補点数の高い洞です。色ではなく明るさだけで語るのは、色を候補ピンと施設種別がすでに使っているからです。ベージュの洞は点数が低いのではなく点数を出せない洞で、人口中心点を確認できなかった十の洞がこれにあたります。

背景地図は四つから選びます。基本地図は文字と建物の輪郭をごく薄く描くので重ねた標識が最も見やすく、詳細地図は同じ地図に色が入り街の性格を見るのに向きます。Kakao 地図は商号や建物名が密で実際の看板を探すとき、衛星は建物の形と出入口を確認するときに使います。

標識はこう読みます。ピンは候補地で、点数が高いほど大きくなります。十字はすでに開設された医療機関で、色が種別、大きさが規模を表します。カプセルはすでに開設された薬局です。点線は医院が開業してこそ成り立つ薬局候補、薄い標識はいま見ていないタブの候補です。

この数字はどこまで信じてよいか

利用案内は画面の冒頭と末尾に同じことを二度書いています。すべての金額と件数は計算で出した推定値であり、実際の売上や処方実績ではないということです。実績で補正していない値なので、開業・開局判断の唯一の根拠として使うには適さず、現場確認と併せて見るべきものです。

とくに注意すべき項目が三つあります。第一に、権利金と適正賃料は相場照会ではなく業界の経験則で置いた参考帯です。第二に、同じ建物かどうかの判定は道路名住所の基本部だけを比べます。階と号室は区別しないので、実際にその区画を賃借できるかは別途確認が必要です。第三に、点数はあらかじめ計算された値なので、最近の開業や廃業がまだ反映されていない可能性があります。

それでもこの画面がする仕事ははっきりしています。候補を絞ることです。ソウル全体のうち実際に足を運べる場所はごく少数で、どこから見に行くかを勘ではなく処方の流れで決めさせてくれます。最終判断は依然として現場で下ります。