エヌビディア「カイバーラック」延期説とETF・レバレッジ発の売り連鎖
調査会社セミアナリシスは、エヌビディアの次世代AIサーバー「カイバーラック」の量産が基板(PCB)の欠陥により約1年遅れる可能性があるとの分析を発表した。この報道を受け、村田製作所やサムスン電機など基板関連株が急落し、サムスン電機はこの日も10%超下落した。ただエヌビディア側は延期の可能性を否定し、実際の株価は小幅高で取引を終え、市場の反応が行き過ぎだったとの見方が広がった。
サムスン電子・SKハイニックスなど大型半導体株のKOSPI時価総額に占める比率はすでに50%を超え、いわゆる「Sensitive 7」を含めると64%に達する。こうした偏った構造のもとで、レバレッジETFの純資産規模は前年比82%急増しており、指数のボラティリティを構造的に高めているとの分析が示された。レバレッジ商品は原資産が上昇すれば機械的に追加買い、下落すれば追加売りが発生する仕組みで、買いが買いを呼び、売りが売りを呼ぶ循環構造を生んでいる。
この構造の下では、大型株1銘柄の下落が半導体指数ETFの売りへ、さらに他の大型株や海外上場の連動商品の売りへと連鎖的に波及する。これが、サイドカーやサーキットブレーカーが1カ月に何度も発動されるという異例の事態につながっているとの指摘があった。サーキットブレーカーは通常、国家的な非常事態に準じる数年に一度の出来事であるにもかかわらず、最近は頻発している点が構造的な問題として挙げられた。
一方で業績のファンダメンタルズと、こうした需給発の売りは別問題だとの見方も示された。半導体の業績自体は明確な事実の領域である一方、ハイパースケーラーが今後も設備投資を続けるかどうかの不透明感が投資心理の不安要因になっているとの分析だ。米財務省が内部でAIバブルのリスクについて協議しているとの報道も重なり、世界的に半導体関連株全般が軟調となった。