[シドンの視点] 中央グループJTBC系列の企業回生申請、資本市場への警告
JTBCの親会社である中央グループ傘下の5社が同時に裁判所へ企業回生(会社更生に相当)を申請し、持株会社格の中央日報は別途ワークアウト(債権者との自主協議による再建)を進めているという。企業回生は裁判所に債権・債務の凍結と再建計画の承認を申請する手続きであり、ワークアウトは債権者と直接交渉して返済猶予などを協議する手続きであり、両者は性質が異なる。グループ内6社が同時に流動性危機に陥ったことは、放送・メディア・コンテンツ業界全体に大きな衝撃を与えたと評価される。
今回の事態の波及範囲は決して小さくないとの分析だ。JTBC関連会社ではすでに約1370億ウォン規模の債務不履行(EOD)事由が発生しており、これが期限未到来の他の債権についても即時返済を求められる「期限の利益喪失」を招いた。中央グループ全体で金融機関から借り入れた資金は1兆3000億ウォンを超えるとされ、この資金を貸し付けた一部保険会社・証券会社の株価も同様に軟調に推移するなど、余波が金融市場に及んでいる様子がうかがえる。年内に満期を迎える債券規模も相当あり、継続的な借り換え発行なしには持ちこたえられない構造だったと指摘される。
根本的な原因としては、視聴者がYouTubeなど代替メディアへ移行するのに伴う放送広告収入の構造的な減少が挙げられる。これに加え、短期的には2030年まで続くオリンピック・ワールドカップ中継権を約7000億ウォン規模で独占契約したことが決定的な打撃となったとの分析がある。過去のように中継権を再販して収益を上げる計画とは異なり、地上波各局が自らの財政難を理由に中継権の購入を渋ったため、約1900億ウォン規模のワールドカップ中継権のうちKBSへの再販で回収できたのはわずか140億ウォンにとどまったと伝えられる。
こうした財務悪化にもかかわらず、直近1カ月間に出された証券会社のレポートが当該上場系列会社に対しておおむね買い推奨を維持していたこと自体が問題だとの指摘がある。信用格付けや証券分析の信頼性が低下する背景には、韓国の資本市場規模に対して信用格付け・リサーチのインフラが十分に成熟していないという構造的な限界があるとの見方だ。こうしたシステム上の問題まで併せて点検してこそ、今後同様の投資家被害を防げるとの指摘がなされた。
ただし、こうした事態を報じる際には慎重な姿勢が必要だとの提言もあった。企業の倒産や再建手続きは特定のメディア企業への好悪の問題ではなく、その会社で働く数多くの従業員や協力会社の労働者の生活に直結する問題だからだ。報道改革の必要性とは別に、この件を扱う際にはそこで働く人々への最低限の配慮を持つべきだとの提言が示された。信用収縮に発展する可能性は現在の資本市場規模や政策環境を踏まえると大きくないと評価されるが、債権問題の整理がどのように決着するかは引き続き注視する必要があるとの見方で締めくくられた。