マクロ経済 · 2026-09-07
米8月非農業部門雇用は予想上回るも、信頼性に議論
米国の8月の非農業部門雇用者数は、市場予想の5万5000人増を大きく上回る16万2000人増と発表された。7月の雇用者数も従来のマイナス2万人からプラス2000人へと上方修正された。労働参加率は61.5%から61.6%へと、予想をわずかに上回った。業種別では余暇・接客業で雇用の増加が最も大きく、政府・公共部門で3万5000人、財貨生産部門で4万人増加した一方、AIの影響を受けるIT業種では2万人減少した。
失業率は4.1%と前月と同水準を維持した。余暇・接客業の雇用増加は、北米ワールドカップ開催の効果と夏の繁忙期が反映された結果と解釈された。時間当たり平均賃金の上昇率は前年同月比3.1%にとどまり、物価上昇率に届かず、実質賃金の改善は不十分だったとの指摘も出た。
直近3カ月連続で雇用指標が市場予想を大きく外れており、統計そのものの信頼性に疑問が呈されている。前月の発表では市場予想を8万件下回るマイナスサプライズとなったが、今回は逆に予想を11万件程度上回った。このため市場では雇用統計よりも、今週発表される8月の消費者物価指数(CPI)により大きな比重を置く動きが広がっている。
連邦準備制度(FRB)は物価安定目標についてタカ派的な基調を維持してきたが、雇用まで予想以上に強い結果となったことで、9月のFOMCを前に利下げ確率はむしろ低下した。フェドウォッチ基準の利下げ確率は先週一時70%まで上昇していたが、今回の発表後は59.4%水準まで低下した。