フーシ派によるサウジ精製施設攻撃、原油急騰と中東紛争拡大への懸念
イエメンのフーシ派がサウジアラビア南部都市のアラムコ精製施設を攻撃したとの報道が伝わり、国際原油価格が急騰した。WTIは前取引日比1.5%台上昇の94.47ドル、ブレント原油は1%以上上昇の99.5ドル水準となり100ドルに接近した。番組出演者らは、世界最大の産油国であるサウジアラビアが攻撃を受けたという点で今回の事態の意味は軽くないと診断した。
今回の攻撃は、イランと米国の直接衝突とは別に、これまで巻き込まれることを避けてきた周辺中東諸国を紛争に引き込む「インボルブ」戦略として解釈された。ホルムズ海峡を巡る米国とイランの攻撃の応酬が続く中、反対側の迂回路であったバブ・エル・マンデブ海峡付近まで紛争が広がれば事態が制御不能になりかねないとの懸念が提起された。ウォール・ストリート・ジャーナルはイランが米海軍艦艇に2次攻撃を加えたと単独報道し、週末には米国がイランのタンカーを攻撃したことがあり、双方によるタンカー・精製施設への標的攻撃が続く様相となっている。
死者は500人、避難民は2万人を超えたと伝えられ、イランは射程と精密度を高めた新型ミサイルの実験映像を公開した。イラン国内報道によれば、米国との和平交渉の条件として3000億ドルの賠償金、制裁の完全解除、凍結資産1000億ドルの返還、海上封鎖の解除などを要求しており、交渉妥結が容易ではない状況を示唆した。
ただし米国債金利は原油急騰にも大きく反応しなかった。10年債は4.8%台を維持し、20年債・30年債も5.26%水準で小幅な変動にとどまったが、これは市場が今回の中東情勢を過去に比べ予測可能な範囲として受け止めていることを示すとの解釈が出た。ただし原油価格が100ドルを超えて長期化すれば、冬季の暖房需要急増と欧州のガス備蓄不足(平時85%に対し現在60%台)が重なり、物価上昇圧力が一段と強まる可能性があるとの警戒も同時に提起された。