銘柄
SpaceX、AI部門の黒字転換と投資拡大が注目
SpaceXは第3四半期の売上高が145億ドルを超え、市場予想を上回ったと発表した。営業利益と調整後EBITDAも予想より良好だった。投資支出はおおむね市場予想に沿う水準とされた。業績発表後の時間外取引で株価が上昇し、AI事業の収益性への関心が高まった。
事業別ではAI・データセンター部門が際立った。同部門の売上高は前年同期比830%増加し、営業利益と調整後EBITDAが黒字に転じた。データセンター投資に伴い減価償却費が大きく発生する事業の特性から、調整後EBITDAが収益性を示す指標として注目された。
イーロン・マスク氏は、来年にAI計算能力を10GW追加稼働させ、2027年末までに全体の能力を約13GWに拡大する計画を明らかにした。来年第2四半期末までにベラ・ルービンを基盤とするチップ44万個を配置して大規模な学習クラスターを構築し、電力・冷却インフラも拡充する構想だ。年間経常収益が5,000億~1兆ドルに達する可能性があるとの見通しも示した。
SpaceXはAnthropicやGoogleなどにデータセンター容量を提供しており、マスク氏は投資費用の回収に6カ月から1年ほどかかる可能性があると述べた。ただし、投資回収期間や長期的な売上見通しはマスク氏の発言であり、実際の業績とは区別して見る必要がある。今回の発表は、AI投資を引き続き拡大する一方、関連事業ですでに利益を上げていることを市場に示した。
スーパー・マイクロ、業績見通し引き上げ…AIインフラ需要を確認
サーバーやラックシステムを供給するスーパー・マイクロ・コンピューターは、11月3日の業績発表を前に第1四半期の売上高見通しを引き上げた。従来の145億~155億ドルから185億~195億ドルに上方修正し、売上総利益率の見通しも10.4~10.8%から12~12.5%に引き上げた。AI需要が予想以上に強いとの説明を受け、時間外株価は17%超上昇した。
スーパー・マイクロはGPUを直接製造する企業ではなく、部品を組み立ててサーバーやデータセンターシステムを供給する。AI設備需要が増えれば売上高が直接伸びる構造であり、業績見通しの引き上げはAIインフラの発注が続いていることを示す事例として取り上げられた。
番組では、借り入れ依存度の高いコアウィーブと比較し、AI事業自体の需要と金融環境を分けて考えるべきだとの見方も示された。データセンター投資企業の株価は金利や借入負担に左右される可能性があるが、これをAI需要の鈍化と同一視すべきではないとの趣旨だ。
アマゾンのAWSが、電力供給が確定していないデータセンター向けに、50億ドル規模のNVIDIA GB300サーバーラックを先行して受け取ったとの報道も紹介された。AWSが毎月30億ドル規模のハードウェアを追加導入するとの内容とともに、電力インフラよりも機器の確保を急ぐデータセンター事業者の需要が浮き彫りになった。
マイクロンの台湾工場でスト予告…メモリー供給への影響に注目
マイクロン台湾の桃園工場の労働組合は、10月22日からストライキに入る可能性があると予告した。労組はマイクロンの世界営業利益の15%を賞与として支給するよう要求したと伝えられた。
桃園工場はマイクロン全体のDRAM生産能力の約22%を占める中核拠点だ。対立がHBM生産の主要拠点である台中工場に広がるかどうかも点検対象となっている。実際に生産が滞れば供給やメモリー価格に影響する可能性があるが、スト予告だけで供給減少を断定することは難しい。
台湾で減った供給量を韓国企業が代替するのも容易ではない。韓国の生産ラインも稼働余力が限られており、短期間で供給を増やすのは難しいためだ。ただし、ストの可能性は市場の供給不安を刺激する可能性があり、台湾の地政学的・政治的な不確実性を踏まえると、韓国の生産拠点の相対的な安定性が注目されるとの見方も示された。
アリスの乱高下と野村の目標株価…AI投資家心理の変動続く
韓国KOSDAQ上場のアリスは、上場初日に31%下落した後、翌取引日にはストップ高を記録した。AIデータセンター事業を手がける企業であることから、海外メディアはコアウィーブなどネオクラウド企業を巡る投資家心理と関連づけて報じたが、番組ではアリスの事業規模や市場での位置づけはコアウィーブと直接比較できる水準ではないと指摘した。
初日の急落は、海外投資家にAIインフラ企業全般への投資家心理が弱いとの印象を与えた一方、翌日のストップ高への反転は短期的な変動の大きさも示した。個別企業の負債や事業基盤を確認せず、海外報道だけで業界全体を判断するのは難しいとの議論が続いた。
野村は、メモリーの供給制約が少なくとも2028年まで続く可能性があり、AI売上高の減速を巡る議論は需要縮小よりも顧客の移動や季節性、集計基準の違いに起因する可能性があるとみた。中国発の競争への懸念も過度だと評価した。ただし、強気な目標株価だけで株価の反発を確信するのは難しく、市場が待ち望む新たな業績の根拠や投資家心理の転換につながるきっかけが必要だとの指摘が出た。
コラム
[グァンスの視点] ソリダイム上場論争、財閥の支配構造を問う
ソリダイムが上場すれば、SKハイニックスから米国法人、ソリダイムへと続く支配構造はさらに複雑になる。子会社、孫会社、ひ孫会社へと続く多層構造に企業を追加上場すれば、市場が各社の価値を適切に評価しにくくなり、これがコリア・ディスカウントの一因だとの指摘がある。
二重上場とは、親会社が育てた中核事業を切り離して上場する手法だ。HYBEがBTS事業を別会社に分離するケースに例えると、既存株主はこれまで会社の成長をともに支えてきたとしても、新会社の成果を十分に享受できない可能性がある。成果が出るたびに事業を分社化すれば、既存株主が企業を信頼して長期投資する理由は弱まる。
ソリダイムはSKハイニックスの売上高に占める比重が小さくなく、ハイニックスからウエハーを調達して製品を製造・販売する取引関係も絡んでいる。分社化後は、ウエハー価格や利益配分が両社の株主の利害に応じて変わる可能性がある。調達規模が10兆~20兆ウォン程度なら、資金余力のあるハイニックスが直接投資できるにもかかわらず、外部資金を受け入れる理由は何か、説明が必要だとの主張だ。
論評は個別子会社の上場問題にとどまらず、SKグループの支配構造に焦点を当てた。チェ・テウォン会長が保有するハイニックス株は限られる一方、SKを通じてグループを支配する構造であり、中核企業の成果が最終支配株主や一般株主にどう結びつくのか不透明だという。実質的な株主となるには、チェ会長がハイニックス株を直接保有し、自社株消却と配当を通じて株主価値を高める正攻法を選ぶべきだと主張した。
市場が過去とは異なり、二重上場論争に株価下落で反応している点は、株主意識が変化している兆しと解釈した。SKハイニックスやサムスン電子のような大企業の意思決定は市場全体に影響を及ぼすだけに、透明な支配構造と株主還元によって信頼を示すべきだと強調した。過去のLG化学の分割事例のように、株主価値を損なう決定は長期的に企業の株価や評判の重荷になり得るとの警告も付け加えた。
[グァンスの視点] 申請しなければ受けられない福祉から、株主保護へ
イ・グァンスは、若者年金などの福祉制度で申請主義を減らし、対象者に支援が届くようにすべきだという大統領の発言に賛同した。忙しさや制度を知らないことを理由に申請できなかった人が給付から漏れるのは、常識的な福祉の趣旨にそぐわないとの主張だ。支援対象を広げ、取り残される人を減らすことを政策の出発点とすべきだと強調した。
番組で紹介された国会の電子請願は、1,400万人の投資家を保護するため、義務的公開買付制度の導入を求める内容だ。賛同者数は放送中に4万2,000人を超えた後、4万4,000人以上に増加し、目標は5万人とされた。投資家が制度改善の要求に参加し、株主保護を巡る議論を続けようとの呼びかけがあった。
最後に、株式投資の損失で苦境にある視聴者からの投稿が紹介された。家族とともに投資して損失を出した状況でも、周囲を安心させているという内容に対し、イ・グァンスは投資家の不安や孤独を見過ごさないとの意を示した。株価や業績だけでなく、投資家が抱える負担にも目を向けるべきだとのメッセージで締めくくられた。